”皆のおばあちゃん”がいる! 家庭的な宿「かりぼし」
民宿 高千穂

高千穂神社から徒歩8分、集落を抜けて坂道を上ると民宿「かりぼし」があります。84歳の甲斐枝子さんが1972(昭和47)年、37歳の時に開業した宿です。現在は、娘の木下喜三子さんと一緒に切り盛りしています。
リピーターの要望で素材を生かした家庭料理が復活

「2016年から約2年間、宿泊だけにしてたんですよ」と話す喜三子さん。2018年の8月までは素泊まりのみにし、料理の提供をやめていました。
けれど、リピーターが多いため、「なぜ食事を出してくれないの?」「ぜひ出してほしい」とリピーターの要望が多く、2018年9月に再開することにしました。
ここで、リピーターに愛される料理を紹介します。

これは「ニジマスの塩焼き」。地元の川でとった新鮮なニジマスを使ったものです。季節によってはニジマスをアユに変え、やはり塩焼きにして提供しています。
もうひとつの人気料理は「煮しめ」。いりこと干しシイタケから出汁を取り、シイタケ、厚揚げ、こんにゃく、タケノコなど四季折々の旬な野菜を使い、喜三子さんが丹精込めて作ります。
もしかしたら、煮しめは誰もが「懐かしい味」と感じるものなのかもしれません。母を思い浮かべる、暖かい味……。リピーターが多いわけはこのあたりに理由があるのでは。
海外のお客さまにも人気 「天岩戸伝説」の絵がロビーに

エントランスには高千穂町の神楽の絵が飾られています。喜三子さんいわく「素材は石灰じゃないかな? 天鈿女命(アメノウズメノミコト)と手力男命(たぢからおのみこと)が天岩戸を開ける様子を描いているんですよ。絵に凹凸があって迫力がありますよ」とのこと。海外の観光客の方もこの絵の前で写真を撮るそうですよ!
そのほか受付には、宿泊者が感激するほどの、年輪の多い杉の木のテーブルもあります。
すべて和室のかりぼし。経営者の枝子さんは今もお客さまを出迎えて、もてなしています。宿泊者が「おばあちゃん元気?」と声をかけ、皆のおばあちゃんです。「背中が丸くなってしまった…」と枝子さんは言っていましたが、46年前に1泊1,300円の小さな民宿から始め、今では二階建ての立派な民宿へと成長させた枝子さんの背中は、きっと家族みんなの誇り。枝子さんのような皆から愛されるおばあちゃんになれたらいいな…と思いました。
宿主の素敵な笑顔と実家に帰ってきたようなホッとできる空間で、のんびりとくつろいでみませんか?
かりぼし
客室数13
料金6,800円~(1泊2食付き)
チェックイン:15時 / チェックアウト:10時
住所宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井1073-3
電話番号0982‐72‐2681